副テーマの概要(2011年度)

・異文化理解を促すためのマルチメディア単語帳の開発
  北陸先端科学技術大学院大学では,学生の29%が留学生,教員の18%が外国籍教員と高い比率になっている.このような高度に国際化された学習・研究環境に於いては,多くの異文化コミュニケーションの機会がある.このような環境において,どうやってこうしたコミュニケーションの機会を「ユニークな学園風土」が生まれる土壌として活用するかということは,一つの重要な実践的な課題であると考える.異文化理解と自文化理解は互いに補い合うプロセスであり,学習者に自国語と他国語を比較することを通じて,言語表現の違いを発見させ,更に文化の違いが存在することを気づかせ,自文化・異文化理解に対する不足なことを認識させることは重要である.特に,日常的生活の中では,母国語が異なる人に自国語を教える交流活動がよく行われる.このような異文化コミュニケーションは教える側と学ぶ側の両方にとって,言語表現の違いを意識させることを通じて文化の違いを考えさせることを促すことが可能なプロセスであると考えられる.本研究では,質の良い異文化コミュニケーションの「場」を提供することを目指し,他文化の存在の気づきから他文化の理解までの学習者の意識変化の促進を支援するための教育手法と学習環境の開発を行った.本稿では,自国語と他国語を比較することを通じで,言語表現の違いを発見し,更に文化の違いが存在することを気づき,自文化・異文化理解に対する不足なことを認識するという促進モデルを述べた上で,そのモデルに基づく支援ツールのデザインと機能の一部(マルチメディア単語記録)の実装,更に支援ツールの拡張性と効果検証を支えるメタデータのデザインについて論じた.

・Webにおける学習環境を用いたナビゲーションに関する研究
学習者が学習を進める際,進め方の指針となるものがナビゲーションである.多くの学習環境において,ナビゲーションは使用する教科書または授業の進行に準拠している.また,教科書や授業に準拠したナビゲーションは教育者の視点にたったものに偏りがちである.そのようなナビゲーションでは,学習者の自主的な選択による学習の進行が行いにくく,Webにおける学習環境の利点である学習者の自主的な学習を促進することができない.本研究では,既存のWebを用いた学習環境におけるナビゲーションシステムの調査・分析・考察を行うことによって,前述したナビゲーション以外にどのようなものがあるのか,またそのナビゲーションを用いることによってどのような利点,欠点があるのかを明らかにし,どのような学習場面においてどのようなナビゲーションを用いればよいのか提案した.

・コンテンツ作成の為のスライド変化判定アルゴリズムの開発(進行中)
近年の講演や講義などのプレゼンテーションにおいては,PowerPointやKeynoteなどのツールが良く利用される.それを用いた教育用コンテンツ作成の手法のひとつとして,PCに表示される画面をそのままキャプチャして映像化するといったものが挙げられる.この手法ではPC上で表示されるすべての情報をコンテンツとして収録できるため,情報を漏らすことなくコンテンツとして収録できるという利点が挙げられる.しかしこのような手法では情報量は多くなる反面,容量が大きくなってしまうといった問題点があげられる.情報量を減らさず容量を小さくするコンテンツを作成するには,PowerPointやKeynoteにおいてスライドの変化を判定し,必要な画面情報のみを抽出しキャプチャすることが出来れば,可能であると考えられる.本研究では,その為の判定アルゴリズムの開発と,テストプレゼンテーションを用いた評価を行うことを目的とする.


 

副テーマの概要(2011年度)

 
長谷川研究室では2011年度の副テーマとして以下のようなテーマを予定しています.
また,人間の知的活動を支援する枠組みに関連するテーマであれば持込テーマも歓迎します.
 

・遠隔講義システムの設計に関する分析・システム開発
・音声/映像情報に基づく動画分割プログラムの開発
・ユビキタス学習環境/PodCast/HTML5に関する調査・実践・評価
・オープンソースSNS/CMS/e-PortfolioによるWebアプリケーション開発
・Silverlight4によるRIAアプリケーションの開発
・情報科学研究科講義のインストラクショナルデザインアプローチによる分析
・e-Learningコンテンツ開発システムの調査・評価・分析

 
副テーマの進め方:
・開始時期:
  - 相談に応じます.
・評価基準:
  - 副テーマ題目届作成後,評価基準(有用性を中心に)を議論.
・状況報告:
  - 定期的な対面orメールによる進捗状況の報告,ミーティングログの作成.
・副テーマレポート:
  - 10ページ前後で,対象領域の特徴・課題,アプローチ,調査内容/開発成果に関する
     まとめ,今後の課題・提言をまとめる.
・最終報告:
  - 長谷川研究室のミーティングで成果プレゼンテーション(+デモンストレーション).
  - 副テーマレポート,最終報告,打ち合わせを含めたすべての成果物提出により完了.