第一次中期計画
平成16年度から21年度は大学法人化後の中期計画の一環として,以下の図に示すように,主要な遠隔教育形態の大学院教育への適用について実践した.本学の体系的カリキュラムによる大学院教育並びに異分野からの入学生,留学生,社会人学生等様々なバックグラウンドの学生を遠隔教育面から支援するにあたり,対面教育環境の中で遠隔教育手法を適材適所で活用する,利用者視点の実践的システムを構築するという基本理念で取り組んだ.なお,実践にあたっては,フレキシブルな運用でスタートし,効果を確かめた上で,より良いシステムに段階的に進化させるよう努めた.

第一次中期計画の実績
 

同期型TV会議システムの整備・実践

講義室間/参加者間をTV会議システムで接続し,リアルタイムコラボレーションを実現する環境を整備した.接続条件を満たせば様々な状況で利用可能だが,品質は環境に大きく依存する.サテライトキャンパスや学外との講義・会議に活用してきた.最近の急速な技術進展により臨場感のあるTV会議が可能となり,また,複数台のPCによる遠隔PC会議システムで手軽に研究者間の打ち合わせや学生の研究指導も可能となった.
 

同期型ライブ講義の整備・実践

専用講義室の複数拠点を接続し,双方向講義を実現する環境を整備した.品質や使いやすさは確保されるが,専用講義室以外との接続は困難である.北陸地区国立大学連合双方向授業システム,アジア諸大学向けSoi-Asia遠隔講義などに取り組んだ.
 

非同期型VOD(Video On Demand)システムの構築

通常の対面講義を収録・蓄積したものをストリーミング配信するためのシステム構築に取り組んだ.低コストで多くの講義に適用できる構成とし,講義のアーカイブ化,研究室紹介の配信などといった利用を進めた.また,進展するIT技術の活用と教育工学との融合にかかる先進的な環境構築の一環として,HD化,Podcast対応,モニタリングによる省人化,コミュニティ動画掲示板による双方向学習機能などを開発した.
  

非同期型WBT(Web-Based Training)コンテンツの開発

専用スタジオ等で収録した講義を個人学習向けに編集・構造化し,配信を行う取組を行った.編集コストは大きいが,効果的な遠隔講義を期待でき,工科系大学院連携遠隔講義やサテライトキャンパス講義などに活用した.

第二次中期計画に向けた課題
当センターの今後の取組は,大学院教育イニシアティブによる教育改革活動と連携し,これまでの実践的知見をもとに,電子メディア利活用による教育改革に貢献していくことが最重要課題である.